ONYXIS 春の連続投稿 第2弾 「開発途上国で求められていること」

ONYXIS春の連続投稿,第2弾はRyuが担当します!




僕の将来の夢は開発コンサルタントになることです.



自分の都市計画や交通計画などの大学で培った技術と語学力を活かして,



開発途上国の支援をする.



テレビのドキュメンタリー番組でよくやってるような,



直接現地に赴き,現地の人と交流・協力しながら,



その国が抱える環境汚染や貧困などの問題を解決していく...



そんな自分の姿をいつも想像しています.(ふわっと想像しています...)







具体的に全然イメージできなくて,



なんとなくJICAと関わってたらそんな仕事に携われるのかなと思ってました.



そして,ちょうど先週の日曜日にJICAボランティア(海外青年協力隊)の説明会が行われたので,



直接聞いてみようと思い,参加してきました.

 








以下のようなプログラムでした



【前半】

①海外青年協力隊とは何ぞや

②応募から派遣までの流れ,応募方法など



【後半】

①ボランティア経験者の方(2名)の体験談

②個別相談










一番印象に残ったのは,ボランティア経験者の方の,



モンゴルの首都ウランバートルで下水処理システムの技術支援という業務を行ってきたというお話.






簡単に説明すると,


モンゴル(ウランバートル)から,日本の最新の下水処理技術を教えて欲しいという要請が来ていたそうです.


 

しかし実際は,技術を教授する以前に企業の排水に関して規制もできていなければ,



規制する必要があるという意識の共有もできていなかったそうです.



僕も詳しくは分かりませんが,,,



本来なら,当たり前のようにある法律や規制



(化学薬品を一般の下水道に流してはいけないとか,ある程度処理を加えて毒性を薄めてから流すとか?)



が整っておらず,とりあえず経済発展優先の政策が進められていたそうです.



その方はなんとかその旨を伝えようとしましたが,



法整備を進めようとすると,どうしても政治が絡んでくるようで,



周囲の同僚(ウランバートルの役場の人)たちもあまり積極的に動いてくれなかったようです.



それでもなんとか,問題点,改善点を指摘して,



下水処理システムを向上させるために必要な規制や法整備を



(大使に?とにかく偉い人に)提案するまでに至ったそうです.












わずか2年の間に,2ヶ月の語学力で,人を動かして,



「偉い人」に提案するまでには相当な苦労と努力があったんだろうなあと感動しました.






それと同時に,「開発援助のあり方」に対して改めて疑問が生まれました.




















「開発途上国に求められていることって何だろう」



















JICAのことを知っていくうちに,話を聞いてるうちにだんだん違和感を覚えるようになりました.



「なんか想像してたのと違う」



たぶん自分の中で,知らず知らずのうちに,自分たちがONYXISでたまに議論するような,



貧困の撲滅や環境問題への対策などの世界で今求められている的なことは,



きっと開発途上国でも望まれているのだと思い込んでしまっていたのだと思います.




現実はすこし違うのかな...








以下,全くの個人的な意見ですが,


実際に開発途上国  求めているのは,とにかく経済発展することで,



自分たちの生活がより便利になって,生活の質も向上して,より幸せになりたいと望んでいるのだと思います.











でも,開発コンサルタントとしては,色んな国が劇的な経済発展を遂げる一方で深刻化している,



現在MDGs(ミレニアム開発目標)に見られるような,環境汚染,国内格差や地域格差の拡大にも向き合っていかなければならない.











先ほどのモンゴルでのボランティアの話を例にすると,

 

【モンゴルの立場】


・規制をかけたり法整備したりすることで,基幹産業をダメにしてしまう可能性がある

 

・環境負荷の増加より,GDPの増加のが気になる

 




【支援側】


・急激な経済発展に伴う環境負荷の増大を抑えたい


・あくまで「サポート」という立場なので政治に関わることはあまり口出しできない









開発コンサルタントとしてどこまで関与していいのだろうか,



開発援助といって自分たちが思っていることをただ押し付けているだけになってないか...



ただ援助といって経済的な支援をするだけでなく,同時にグローバルな問題に対するマインドセットを形成していく(教育?)というような,



もっと今の時代に適した「開発援助のあり方」もあってはいいのかなと思います.









今回,JICAボランティアの説明会に参加して,




「実際に開発途上国が求められていること」 と 「実際にその国の将来にとって必要なこと」 には




大きなギャップがあると感じました.


 

「開発コンサルタント」や「開発援助」に求められていることは何だろうと,最近ずっと考えています.


 

まだ答えは見つけられていませんが,しばらくこの問題と向き合っていきたいと思います.


















知識不足もあるし,自分の中で考えやロジックを整理できてないので上手く話をまとめられていませんが,


何かアイディアや意見をいただけたら幸いです.



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コメント: 9
  • #1

    TAIKI (火曜日, 14 4月 2015 23:51)

    かなり刺激的でした。
    僕も、この前行ってきたインドネシアで、同じような経験をしました。
    バンタールガバンという地域で、そこはジャカルタのゴミを言ってに引き受けている地域で、そのゴミ山の周りにはゴミの分別で生計を立てている人たちの住むコミュニティが存在しています。
    そこでは、いわゆる”問題”が転がっています。「貧困のため構造的に奪われる可能性」「ごみ処理の問題」「生活環境の格差」「グローバル化のしわ寄せ」「環境問題」などなどです。

    そのゴミ山に直面して、思ったことは「改善できることがもっとあるじゃん」ということです。
    でも、その思考の仕方自体がとても上から目線で差別的で暴力的であることもわかりました。
    そこでの人々の暮らし、想い、価値観を無視した目線だったのです。
    開発も同じで、もつ国がもたざる国に対して、上から目線で「ある水準まで引き上げてやるという視点」が常に付いて回ると思います。
    実際、インドネシアで共に過ごしたインドネシアの学生も、ゴミ山やそこでの仕事を「仕方ないもの」「彼らが選んだこと」と言っていました。

    そして、同時に思うことは
    支援すると言う名の裏で何が行われているのか。本当に支援を必要としている国にはあまり支援が行かずに政治的に”国益”とされる国に集中します。そもそもなぜ開発途上国は開発途上国になってしまっているのか、いわゆる先進国が搾取しているからではないか。そもそも先進国と開発途上国という位置づけや考え方自体がとても暴力的ではないか。また、同時に欧米が今まで起こしてきた経済的発展による弊害の反省を(開発途上国は)活かせないのかという暴力的な問いも立つかも知れません。

    開発途上国、僕の経験で言うところのインドネシアでは「やっぱりお金も大事。日本(開発先進国?)は豊か(物的)で発展していて人も真面目で、いいなー」といった印象を持っている人は多いです。事実、日本のインドネシアに対する経済援助は大きい。しかし、日本自身が、”発展””近代化”していく過程で失ったものは往々にしてあります。それに対して、インドネシアではこれからそれらを失わずにいられるのか、はたまた失ってしまうのでしょうか。

    開発という名で、実際に何が行われているのか。そして、実際に”支援”を必要とする国に対してどのような立場や心構えで関わっていくことができるのか。
    とても考えさせられますし、自分の今まで持っていた価値観をも揺さぶられます。
    おそらくJICAの方々はそれをも踏まえて、仕事にプライドを持っておられるのだと思うと、とても尊敬します。
    コメントの的が外れていたらすいません。

  • #2

    kai (水曜日, 15 4月 2015 02:03)

    なんか文字の大きさにバラツキが。。。


    求めてるものとか必要なものとかって話になってますが、そもそも彼らは何か欲しているのでしょうか?
    ほんとは欲していないのかも。日本で暮らしている人々よりもはるかに楽しくやっているのではないか。途上国のローカルの子供たちやおばちゃんたちのパワーを見ているとそう思わずにはいられません。例えば彼らの食文化を変えてまで寿命を延ばすことが彼らにとって幸せなことなのか。実際のところ、頭で考えていても分かることではなさそうですね。

    まあそうは言っても人間欲望のかたまり。
    彼らに欲求があると仮定しましょう。

    そうしたときに、たぶんそれを知ってるのってもちろんそこに住んでいる人だけなんですよね。
    たとえば、ウガンダ共和国のある地域の深刻な問題が、まさか「人食いの文化(カニバリズム)があること」なんて行かなかったら想像もできないですよね。(まあ知ったからといってどうにか出来るかはわからないのですが。。。)ウガンダの新聞に出ていても日本のメディアには流れてないし。。。

    ってなるとコンサルが相談役なのであれば解決すべき問題を前もって用意しなくても、現地の人たちはその問題に気づいていて話を聞きにいけばそれを教えてくれるんのではないでしょうか。

    「開発コンサルタント」や「開発援助」に求められていることは、その現地に行ってみて、問題を聞いてみて、その地域を感じてみて、
    そこで出てきた物を、自分の持てるスキルを持ってして解決のお手伝いをしていくこと。な気がします。
    リューさんが悩んでるのはそのスキルは何であるべきなのかというところではないのでしょうか?

    途上国の問題を解決したいのであれば、今すぐ途上国のある地域に行ってそこで問題を聞いて、解決のために活動するって方法もありますよね。りゅーさんが今すぐ行かない理由は何ですか?

  • #3

    Kazuma (水曜日, 15 4月 2015 08:28)

    開発途上国が求めているものは、経済発展。
    すでに生活の質がある程度以上にある先進国が求めるものは、環境問題。
    その2つの要求をうまくマッチさせるのが開発コンサルタントの仕事なのでは?

    コンサルって現地の人や関係者の話を聞いて、
    その人達が考えつかないようなWin-Winの方法を提案して、
    実行の支援をする人たちのことでしょ?
    その時々で状況は変わってくるんじゃないかなー。

  • #4

    Ryu (水曜日, 15 4月 2015 22:15)

    こんなにコメント頂けるとは、、、、皆さんどうもありがとう。


    TAIKI

    「目線」という話についてですが,

    開発援助をする上では,その国の「目線」かつ,その国の「ペース」で,開発のサポートをしていくということがとても重要だと僕も思います.「開発援助」の1つのあり方として,援助する側が必要だと思うものを押し付けるのではなく,現地の人が必要としているものを一緒に考え,作っていく(≠与える)ことが重要だと思います.

    個人的には,インドネシアの都市部でしっかりゴミを処理・リサイクルするシステムを作れば,ごみが分散し,山なんて作らなくてもよくなりそうな気がします.彼らが,「ちゃんとした仕事に就いて働く」 「ごみ山でごみを分別する」 のうち,前者のメリット・デメリットを知っていて,後者をあえて選択しているのなら,彼らの生活を無理やり変えるのは傲慢かもしれないですね.


    ただ,どこまでその人たちの生き方を尊重するのかは,とても難しい問題だと思います.

    「その人たちが求めていること」 と 「実際に彼らにとって必要なこと」
    やっぱりここの判断がすごく難しい...。前者は直接聞けば分かるけど,後者はよく分かりません.

    そこに住む人たちは,現状の生活で満足しているかもしれませんが,その人たちがちゃんと教育を受けて,ちゃんとした仕事に就いて働いた方がより社会(=国)に貢献できると考えれば,国にとっては彼らがごみ山生活をしていることは損失になります.あるいは,ごみ山で,その住民たちの分別だけしか行われていないのなら,遅かれ早かれごみの許容範囲を超えて他の地域まで影響を及ぼすことも考えられますし,ごみを処理せず一箇所に貯めているだけですでに,地下水が汚染されるなどして環境問題だと思います.


    というようなことをTAIKIのコメントを見て思いつきました^^;

    こちらこそ的外れなコメントだったらすみません笑
    分からないことがあったら,遠慮なくコメントしてください.

  • #5

    Ryu (水曜日, 15 4月 2015 22:32)

    Kai

    文字サイズは,,,強調したいとこだけ大きくしたり,太くしたりして自分なりに工夫したつもりだったけど,,,逆に見にくかったかな^^;
    それでも最後まで見てくれてありがとうございます.



    とりあえず,最後の質問についてですが,

    >>りゅーさんが今すぐ行かない理由は何ですか?

    今現在JICAのインターンシップ(開発コンサルタント型)というものが公募されていて,それに応募します.選考に通らなくても,意地でも何かプログラムを見つけて,海外インターンやボランティアに参加する予定です.なので今すぐ行けません.ですが,気持ちはかなり途上国に向かってます.
    今回のテーマを考えるようになったのも,JICAのインターンシップに応募しようと思ったのがきっかけです.


    その1つ前の質問
    >>「開発コンサルタント」や「開発援助」に求められていることは、その現地に行ってみて、問題を聞いてみて、その地域を感じてみて、
    >>そこで出てきた物を、自分の持てるスキルを持ってして解決のお手伝いをしていくこと。な気がします。
    >>リューさんが悩んでるのはそのスキルは何であるべきなのかというところではないのでしょうか?

    ずばりおっしゃるとおりです.
    ちょうど修論の研究テーマを考えているところで,途上国で自分に何ができるのか,交通計画・都市計画に何ができるのか,全然イメージができません.やっぱり,実際に現場を見ないことには始まらないと思います.

  • #6

    Ryu (水曜日, 15 4月 2015 23:00)

    Kazuma

    コメントありがとうございます!


    >>開発途上国が求めているものは、経済発展。
    >>すでに生活の質がある程度以上にある先進国が求めるものは、環境問題。
    >>その2つの要求をうまくマッチさせるのが開発コンサルタントの仕事なのでは?

    ということでしたが,最もシンプルな構図はこんな感じだと思います.また,コンサルの仕事が両者のWin-Winを作っていうところも全くの同意見です.


    ただ,個人的な意見ですが,厳密に言うとプレイヤーは開発途上国,先進国,地球(自然環境)の3つで,コンサルが提案すべきものは,Win-Win-Winでないといけないと勝手に思ってます.

    開発途上国の経済成長は結果的に「先進国の貿易相手が成長する」ということで,開発途上国のWin=先進国のWinになっているような気もします.
    ただし,開発援助も限られた予算の中で行われているので,最後のWinは後回しにされがちな気がするというのが僕の疑問です.


    Kazumaの意見や考え方を上手く読み取れてなかったらすみません^^; さらなる議論が展開できたら良いなと思ってので,何かあれば是非コメント続けてください.

  • #7

    TAIKI (木曜日, 16 4月 2015 14:59)

    Ryuさん
    もちろん、ゴミ山問題は深刻です。改善できる所/すべき?所はたくさんありますし、地球環境などに対しても対処しなければならないことはあります。(実際ゴミ山からしみだした水はどす黒くてこれがみずか、、、と思ってしまいました。)。
    また、ゴミ問題に関して論点があるとしたら、ゴミ山で仕事をしている人には貧困が原因でこの地域に集まってくる人が多くいるということ(分別の仕事は比較的お金になるそうです)、それを強いられた構造があることです。会社で働けるなら働きたいという人は多いと思います。

    しかし、僕は「ちゃんとした仕事」にゴミの分別も入っていると思います。また、すべての仕事がちゃんとしていると思います。実際に制度が発展したらなくなる仕事かも知れません。問題もたくさんあると思います。でも今現在はゴミの分別・処理によって彼らは暮らしています。僕はそれをすごいことだと思います。

    開発コンサルタントとして、制度やインフラを整えたりすることはとても大切だと思います。KaiさんKazumaさんのコメントでもあるように途上国の求めることに応じる形で仕事をするべきだと思います。ただ、1つの視点として、開発は彼らの暮らしを変えるという暴力を持っていると思います。

  • #8

    TAIKI (木曜日, 16 4月 2015 15:02)

    みなさんに質問なのですが

    実際に、では援助?をしましょうとなった時に、具体的に必要なスキルとは何なのでしょうか
    たくさんあると思いますが、、、、、
    実際に何かを作るスキル、モノを教えるスキル、適切に人をつなぐスキルなどなど、、、、

  • #9

    TAIKI (木曜日, 16 4月 2015 15:30)

    Ryuさん
    追記:
    途上国に住む友人たちの暮らしをどこまで尊重するかは難しいということだったのですがたしかにそう思います。その一方で、先進国が途上国に迷惑を掛けないということも大事だなーと感じました。おそらくいろんな問題の中でグローバル化(先進国による搾取)によるしわ寄せもあると思います。その上での開発コンサルタント、、、、

    Kaiさん
    途上国の人の元気さってなんなんでしょうかね。僕もインドネシアで、それを感じました。
    楽しくて、元気で、パワフル、人のつながりが強い。強すぎて涙が出る(笑
    実際、主観的な幸福度の高さは数値でも証明されていますし。日本の幸福度負けてますしね。

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